「強いマッサージは良くないって聞いたんです」
施術前のカウンセリングで、こう話される方は決して少なくありません。
SNSやネット記事、動画などで「強く揉むのは逆効果」「弱く触れるだけが正解」といった情報を目にし、不安になって来店されるケースです。
確かに、その意見には一理あります。
必要以上に強い刺激は、筋肉や神経を防御状態にし、かえって回復を遅らせてしまうこともあるからです。実際、誰に対しても一律に強いマッサージを行うのは、決して良い方法ではありません。
しかし一方で、現場で身体を触っていると、「これはある程度しっかり入れないと緩まない」という状態に出会うこともあります。
長年の姿勢不良や動かなさすぎた生活の結果、筋肉が癒着し、表面からの刺激ではまったく反応しないケースです。この状態で「強いマッサージはダメだから」と何もしなければ、身体は変わりません。
つまり、問題は「強いか弱いか」ではなく、その人の身体に今、何が必要かという視点です。
マッサージとストレッチ、強さの加減、アプローチ方法。これらは本来、対立するものではありません。
このコラムでは、マッサージ業界でよく語られる相反する意見について、「なぜ両方とも間違いではないのか」「なぜ正解が一つではないのか」を、現場視点で整理していきます。
相反するマッサージ論争|正解は一つじゃないマッサージとストレッチは対立概念ではない
マッサージとストレッチは対立概念ではない「マッサージでは届かないからストレッチが必要」という説

マッサージとストレッチの役割の違い
「深層筋にはマッサージでは届かない」「動かさないと意味がないからストレッチが必要」
このような意見は、運動指導やリハビリ分野を中心によく聞かれます。実際、この考え方は決して間違いではありません。
関節の可動域を広げたり、筋肉本来の伸び縮みを取り戻すには、ストレッチや運動が有効な場面は多くあります。特にデスクワーク中心で身体をほとんど動かさない生活が続いている方の場合、マッサージで筋肉を緩めるだけでは、動きの改善まで至らないことも少なくありません。
筋肉は「柔らかい=使える」わけではなく、実際に動かして初めて機能が回復します。そのため、マッサージ後にストレッチを取り入れることで、姿勢や動作が安定しやすくなるのは事実です。
ただし、ここで誤解されやすいのが、「だからマッサージは不要」という極端な結論です。
マッサージは無意味なのではなく、役割が違うだけです。ストレッチが有効に働くための「下準備」として、マッサージが必要になる場面は非常に多いのです。
マッサージとストレッチは対立概念ではない「強いコリはストレッチでは取れない」という現場感覚
一方で、現場で身体を触っていると、「今はストレッチ以前の問題だな」と感じるケースもあります。
筋肉がガチガチに固まり、押しても動かしても強い痛みや抵抗が出る状態です。
このような強い筋硬結や癒着がある場合、無理にストレッチをしようとすると、身体は防御反応を起こします。
「これ以上動かされたら危険だ」と判断し、筋肉が余計に緊張してしまうのです。その結果、ストレッチが効かないどころか、痛みだけが残ることもあります。
こうした状態では、まず必要なのは「動かすこと」ではなく、「緊張を下げること」です。
マッサージによって筋肉の過剰な緊張を和らげ、血流や神経の反応を落ち着かせる。この工程を踏むことで、初めて身体は「動いても大丈夫」という状態になります。
つまり、ストレッチが悪いのではなく、タイミングが合っていないだけなのです。
ほぐれていない身体にストレッチをしても、効果が出にくいのは当然と言えるでしょう。
マッサージとストレッチは対立概念ではない正解は「どちらか」ではなく「順番と使い分け」
マッサージとストレッチは、対立するものではありません。
それぞれの役割が違うだけです。
マッサージは、
・過剰な緊張を和らげ、コリをとる
・痛みや防御反応を和らげる
・身体を「受け入れやすい状態」にする
一方、ストレッチは、
・可動域を広げる
・動作を安定させる
・再発を防ぐ
このように目的が異なります。
マッサージで土台を整え、ストレッチで機能を回復させる。この順番が合ったとき、身体は最も変化しやすくなります。
どちらか一方だけを正解にしてしまうと、「効かなかった」という経験が生まれやすくなります。
本当に大切なのは、「今の身体はどの段階なのか」を見極めることです。
相反しているように見えるマッサージ論争も、視点を変えれば、同じゴールに向かう別ルートに過ぎません。
正解は一つではなく、身体ごとに、そしてタイミングごとに変わる。それが現場で見えてくる答えです。
相反するマッサージ論争|正解は一つじゃない強いマッサージ・弱いマッサージ論争の本質
強いマッサージ・弱いマッサージ論争の本質「強いマッサージは逆効果」という意見の正しさ

マッサージの強弱の本質とは・・・
「強いマッサージは身体に悪い」「揉み返しが起きるから避けた方がいい」
この意見には、確かな医学的・現場的根拠があります。
無理な圧や、身体の反応を無視した強刺激は、筋繊維の微細損傷を招きやすく、結果として炎症反応を引き起こす可能性があります。炎症が起これば、痛みや腫れだけでなく、施術後の強いだるさや重さにつながることも少なくありません。
特に、睡眠不足が続いている方、ストレスが強い方、回復力が落ちている方ほど、この影響は顕著に出やすくなります。
また、痛みに対して身体が防御反応を起こすと、筋肉は「守ろう」として逆に硬くなります。この状態では、どれだけ強く押しても緩むどころか、緊張を上塗りしてしまう結果になりがちです。
つまり、「強ければ効く」という考え方は危険であり、身体の状態を無視した強いマッサージが逆効果になるのは、事実として正しいと言えます。
この点を軽視してしまうと、「マッサージ=危ないもの」という誤解を生む原因にもなります。
強いマッサージ・弱いマッサージ論争の本質「弱いマッサージでは効かない」という現実
一方で、「弱いマッサージではまったく変わらなかった」という声があるのも事実です。
特に、長年同じ姿勢を続けてきた方や、慢性的な肩こり・腰痛を抱えている方の場合、筋肉の硬さが表層だけでなく深部まで及んでいるケースが多く見られます。
このような状態では、表面をなでるような刺激だけでは、身体に十分な変化が起きにくいことがあります。
筋肉の癒着や強い硬結がある場合、ある程度の圧を加えて「ここは緩んでも大丈夫だ」と身体に認識させる工程が必要になることもあります。
もちろん、闇雲に強くすれば良いわけではありません。しかし、「弱く触れること=正解」と決めつけてしまうと、本来アプローチすべき層にまったく届かず、結果として「何も変わらない」という体験につながります。
つまり、「弱いマッサージでは効かない」という意見も、特定の身体状態においては、現場感覚として十分に成立するのです。
強いマッサージ・弱いマッサージ論争の本質施術で重要なのは「強さ」ではなく「身体の受け取り方」
強いか、弱いか。
この二択で議論してしまうこと自体が、実は本質からズレています。
大切なのは、その刺激を身体がどう受け取っているかです。
「痛気持ちいい」という感覚が必ずしも正解とは限りません。押された瞬間に無意識に歯を食いしばっていないか、呼吸が浅くなっていないか、身体が反射的に力んでいないか。こうした反応が出ている場合、その刺激は適切とは言えません。
逆に、施術後に
・関節の可動域が広がっている
・呼吸が深くなっている
・立ったときや歩いたときに軽さを感じる
こうした変化が出ていれば、そのマッサージの「強さ」は結果的に正解だったと言えます。
つまり、強さは最初に決めるものではなく、施術後の変化から逆算するものです。
身体が受け取れる刺激を見極めることこそが、強い・弱い論争の本質であり、プロとして最も重要な視点になります。
相反するマッサージ論争|正解は一つじゃない腰はマッサージしてはいけない?してもいい?
腰はマッサージしてはいけない?してもいい?「腰はマッサージしてはいけない」という意見が生まれた理由

腰へのマッサージの有効性について
「腰は揉むと悪化する」「腰へのマッサージは危険」という意見を聞いたことがある方は少なくありません。この説が広まった背景には、実際に間違った腰へのアプローチで症状が悪化したケースが存在することがあります。
腰部には大きな神経や血管が集中しており、また内臓とも密接に関連しています。無理に強い圧を加えたり、痛みが出ている急性期に力任せにもみほぐしたりすると、筋繊維の損傷や炎症を助長してしまう可能性があります。特にぎっくり腰の直後や、明らかな炎症・腫れ・熱感がある場合、無理なマッサージは逆効果になります。このようなケースでは「安静」「冷却」「医療的判断」が優先されるため、「腰は触らない方がいい」という極端な結論だけが独り歩きするようになりました。
しかし、これは「腰のマッサージそのものが悪い」のではなく、「状況や方法を無視したマッサージが危険」という話です。急性炎症期や、原因を見極めずに行う自己流ケアが問題なのであって、腰という部位自体がタブーなわけではありません。
腰はマッサージしてはいけない?してもいい?腰をマッサージした方が良いケースは確実に存在する
現場感覚としては、「腰をマッサージしない方がいい」と一括りにする方が、むしろ不自然です。慢性的な腰痛の多くは、筋肉の緊張や血流不良、動きの悪さが重なって起こっています。このような状態では、腰部の筋肉を適切に緩めることが回復の助けになるケースは少なくありません。
特に、立ち仕事や座りっぱなしが続く方は、腰回りの筋肉が常に緊張状態に置かれています。腰を直接触らずに、骨盤やお尻、太ももだけを整えても改善が不十分な場合、「最後の抜け道」として腰へのアプローチが必要になることもあります。
重要なのは、どの層を、どの方向に、どの強さで触れるかです。深層を狙うべきなのか、表層の緊張を抜くだけで十分なのかを見極めたうえで行うマッサージは、腰痛改善において有効な手段の一つになります。
腰はマッサージしてはいけない?してもいい?正解は、マッサージを「やる・やらない」ではなく「どう・いつ・誰が」
腰マッサージ論争の本質は、「腰を触るか触らないか」ではありません。重要なのは、今の腰がどの段階にあるのか、そして誰が、どのような意図で施術するのかです。急性期なのか、慢性期なのか。炎症があるのか、単なる筋緊張なのか。これを無視して議論すると、意見は必ず真っ二つに割れます。プロの施術では、腰だけを見るのではなく、骨盤・股関節・背中との連動を確認しながら、必要であれば腰にもアプローチします。逆に、腰を直接触らず、周辺部位を緩める判断をする場合もあります。つまり、腰マッサージは「禁止事項」でも「万能策」でもなく、状況に応じた選択肢の一つに過ぎません。ここを理解することが、健康情報に振り回されない第一歩です。
相反するマッサージ論争|正解は一つじゃないマッサージ以外にもある「相反する健康論」
マッサージ以外にもある「相反する健康論」熱い風呂 vs ぬるい風呂 ― どちらが正解なのか
「熱いお風呂は身体に悪い」「いや、熱い風呂こそ健康にいい」
入浴に関しても、真逆の意見がよく見られます。
熱い風呂には、確かに殺菌・ウイルス抑制といった側面があります。体温が一時的に上がることで免疫反応が活性化し、交感神経が刺激されるため、シャキッとした覚醒感を得られるのも事実です。一方で、心臓や血管への負担は大きく、皮脂が奪われやすいため、肌トラブルの原因になることもあります。
対して、ぬるめのお風呂は副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる効果が高い入浴法です。血圧や心拍への負担が少なく、睡眠の質を高めたい人や疲労回復を目的とする場合には適しています。
つまり、どちらが「良い」「悪い」ではなく、何を目的に入るのかで正解は変わります。体調や時間帯、目的を無視して一方だけを絶対視することこそが、健康から遠ざかる原因になります。
マッサージ以外にもある「相反する健康論」激しい運動は悪い?HIITは良い?という混乱
運動に関しても、「激しい運動は身体に悪い」という意見と、「HIITのような高強度運動こそ効果的」という意見が混在しています。
確かに、体力が落ちている人や回復力が低下している人にとって、過度な運動はケガや疲労蓄積の原因になります。この点では「激しい運動は合わない人もいる」という主張は正しいと言えます。
一方で、短時間・高強度の運動が、代謝向上やホルモン分泌、心肺機能の改善に良い影響を与えるという研究や実感があるのも事実です。HIITが評価されているのは、「短時間で効率よく刺激を入れる」という点にあります。
ウォーキングに関しても同様で、歩数が多ければ多いほど良いわけではありません。体力・年齢・休憩の入れ方によって、その効果は大きく変わります。
結局のところ、運動も「内容」ではなく、「その人の状態に合っているか」が最重要なのです。
マッサージ以外にもある「相反する健康論」油は悪?油は必要?という極端な誤解
食事の話題では、「植物油脂は身体に悪い」「いや、動物性脂肪の方が危険だ」といった極端な主張が目立ちます。
確かに、植物油脂・動物油脂ともに摂りすぎは問題になります。特定の油だけを大量に摂取すれば、炎症や血管系への負担につながる可能性があります。
しかし、「油=悪」として完全に排除することも、身体にとっては不自然です。人の体内では、脂質を消化するための消化液が常に分泌されています。油分をまったく摂らない状態が続くと、この消化液が行き場を失い、粘膜や組織を刺激してしまう可能性もあります。
つまり、油は「摂るか、摂らないか」の話ではなく、「量・質・バランス」の問題です。
健康を善悪の二元論で語ってしまうと、本来必要なものまで排除してしまう危険があります。
相反するマッサージ論争|正解は一つじゃないまとめ:論争に振り回されず体の状況で判断し施術する
マッサージ、ストレッチ、強さの問題、腰への施術、入浴法、運動、食事――。
健康に関する情報には、常に「正反対の意見」が存在します。そしてSNSや動画では、その一部だけを切り取り、「これはダメ」「これが唯一の正解」と断定する発信が目立ちます。
しかし実際には、多くの説はどちらかが間違っているのではなく、前提条件が違うだけです。強いマッサージが合わない人もいれば、弱い刺激では変化が出ない人もいます。腰を触らない方がいい状態もあれば、マッサージした方が回復が早いケースもあります。熱い風呂も、激しい運動も、油分摂取も、すべて「目的・体調・段階」によって評価が変わるものです。
大切なのは、理論や流行に身体を合わせることではなく、今の身体の状態に合った選択をすること。そして、それを冷静に見極める視点です。極端な情報ほど分かりやすく、魅力的に見えますが、身体はそんなに単純ではありません。相反する意見の両方に耳を傾け、「なぜそう言われているのか」を理解することが、本当の意味での健康につながります。
その場しのぎではなく「全体を見て整える施術を」
ほぐしても、また別の場所が辛くなる。
肩が楽になったと思ったら、次は腰が重い。
情報通りにやっているのに、なぜか改善しない。
そんな経験がある方ほど、「部分」ではなく「全体」を見直すタイミングかもしれません。
・りおん式整体改善コースでは、肩・腰といった症状の出ている部位だけでなく、姿勢・動きのクセ・身体全体のバランスを確認した上で、マッサージと調整を行います。
・りおん式もみほぐしでは、その時に必要な圧・部位・順番を見極め、過不足のない施術を重視しています。
何が正解か迷った時こそ、身体の声を直接確認することが一番の近道です。
極端な説に振り回される前に、一度ご自身の身体の状態をリセットしてみてください。
メニュー紹介
ほぐし処りおんは、新栄町駅徒歩6分の肩こり・腰痛・ひざ痛改善サロンです。24時間・土日祝も営業。運動療法を用いた【りおん式整体改善コース】が初回半額。深部からほぐす独自手技や豊富なメニューを提供。簡単予約&キャッシュレス決済対応。
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この記事を書いた人
新栄町駅のマッサージ整体・ほぐし処りおんオーナー兼セラピスト整体師 りおん

新栄町駅のマッサージ整体・ほぐし処りおんメッセージりおん
当マッサージ整体では「極上の空間で最高のマッサージ」をモットーにしております。
生花や豊富なノンカフェインのドリンクサービス。清潔感のある空間とラグジュアリーを感じられるプライベートサロン。静かな空間に静かなBGM、室温、湿度、換気や空気清浄機にもこだわっています。加湿器は加熱式ですので、カビ等の心配がありません。冬場は電気毛布で施術台を暖めておきます。施術台、ソファ、テーブル、スリッパは毎回消毒し拭き上げています。トイレも毎回掃除してお出迎えしております。
リラクゼーションを感じるには1つでも欠けてはいけません。
マッサージが最高であるのは当然ですが、やはり、お客様に喜んでいただけた瞬間が本当に嬉しいです。
リラクゼーション、整体、マッサージの知識や技術磨きを日々精進しております。
そしてこの新栄町周辺の地域に少しでも貢献していけたらと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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